• 2017年 6月 25日

体内で分解されるナノファイバーを利用した近未来の止血マット

   

ナノファイバー包帯を安全にあなたの次の傷を封印できた 間際

以前紹介した、パーキンソン病や本態性振戦の患者さんの食事を支援するスプーン『Liftware Stablizer』や、3Dプリンタでおなかの中の赤ちゃんのフィギュアが作成可能に?に続き、最新テクノロジーを利用した、新しい医療用品や発明の紹介記事の第3弾です。

今回は、先日アメリカ、メリーランド大学の研究グループが考案した、体内で自然に分解される物質でできた材料をエアブラシで組織に直接吹きかけ、ナノファイバーの層を作ることで止血や手術の縫合糸の代替、もしくは補助として利用することができる、「ナノファイバー止血マット」を紹介致します。

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そもそもナノファイバーとは?

ナノファイバーとはそもそもどのようなものなのでしょうか?辞書を調べてみると

ナノファイバーとは、1nm(ナノメートル:千分の1μm)から100nmの間で、長さが太さの100倍以上ある繊維状の物質のこと。繊維を極限まで細くすると、従来の繊維にはなかった新しい物理学的な性質が生まれるため、これを応用した新素材が開発されている。高性能フィルターによる浄化装置の性能向上や、健康増進効果が得られる高機能衣服、燃料電池の効率向上など、様々な分野で新技術として応用されている。(ナノファイバー/Weblio辞書)

とあり、要するに極めて細い繊維を人工的に作成する技術です。1nmというのがどれほどの細さかというと、ストッキングなどで使う単位のデニールで換算すれば0.000001デニールというほどの細さとなります。

このような非常に細い繊維を活用して、工業用途では極薄の素材を作成したり、植物素材のナノファイバーを撚り合わせた、非常に軽量で強度の高い素材を作ることで、自動車の樹脂素材などへの代替素材としてが期待されています。また、医療分野では細胞の増殖を促進する足場の素材として利用やキトサンやコラーゲン、ゼラチンなどの人体に吸収される物質を材料としたナノファイバーなども作成可能なため、製薬や今回紹介する創傷治療の用途でも期待がされています。

エアブラシでナノファイバーを吹きかけ、生分解性繊維の層を作る

ナノファイバーの利用用途として、創傷治療用や止血用途の包帯(というよりも、創傷部に貼り付けるシートに近いものです)については、以前から研究が行われてきましたが、従来考えられていた「エレクトロスピニング法」を利用してナノファイバー包帯を作成した場合、生体内で生成を行うと、細胞に損傷を与えてしまう可能性が有り、あらかじめ専用の機械を利用して外部で作成する必要があるため、手術の際に、内臓に貼り付けるような形で利用するのにはハードルがありました。

今回の研究では、これまでの方式のように、事前にナノファイバーのシートを用意しておいて、そのシートを貼り付ける形で使うのではなく、エアブラシを利用して生分解性材料を吹きかけ、組織に直接ナノファイバーの層を作ることで、患部の形などを問わず利用することが可能となります。

現在は安全性確認のための動物実験の段階ですが、豚の臓器の切開時の実験ではにこのエアブラシでのナノファイバー吹きつけを行ったところ、問題は確認されず、42日間でナノファイバーのマットは完全に分解されたとのことです。

将来的には看護師も一般的に利用する?

今回紹介した実験結果では、将来的には手術の際の切開した部分の止血や癒着防止、細胞の再生の用途での期待がされていますが、さらにこうした技術が発展していくと、創傷ケアなどにも利用され、今後は看護師がナノファイバーをスプレーで吹きかけるのが一般的になる時代が来るのかもしれません。引き続き最新の情報チェックし、お送りしていきます。

<参考元記事リンク>

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