• 2017年 6月 25日

海外看護師就職事情 英国では他国からの高額オファーで看護師が流出懸念

   

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日本でも看護師の離職率は高く、安定して優秀な人材を確保することがどの病院でも課題となっていますが、英国でも日本以上に看護師の離職は大きな問題となっています。イギリスの国民保険サービス、NHS(National Health Service)の運営する病院で働く看護師の半数以上が転職を考えていると回答したという、統計調査の結果が報告されました。

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英国のNHSで働く看護師の環境と現状

今回行われた統計は、NHSで働く看護師1600人に対して行われた統計調査で、労働環境への満足度や、転職・離職への意欲などを質問しています。英国の離職を考えている看護師の不満点としては、賃金が見合っていない、将来に渡っての継続的な上昇が見込めないといったことが挙げられています。

こうした、看護師という責任が大きく、労働時間や内容もハードな仕事に対して、見合った賃金が受け取れていないといった不満があることは、日本と変わりませんが、英国と日本で事情が大きく異なる点としては、英語圏の他の国から、優秀な看護スタッフが欲しいという国からのオファーが殺到しているという点があります。

NHSは税金や国民保険を財源として運用されているイギリスの国営の医療サービスで、。患者に対して公平な医療を届けることを目的としており、自己負担はきわめて少額、あるいは無料で医療サービスを受けることが可能です。医療費の負担が少ないため、NHSに対する国民の満足度は高かったのですが、一方で医療費を上げにくいため、看護師の給与はあくまでも一定のサービスに対して一定の賃金しかもらえないシステムとなります。

一方でオーストラリアやドバイなど医療スタッフが不足している国では、英語圏の優秀な人材に好条件でオファーをかけているため、相対的にNHSで働くよりも、海外で働く方が収入が多くなります。中には年間£10,000以上の報酬を提示するようなオファーもあるとのことで、調査に回答したNHSの看護スタッフの半数が海外で働くことを検討していたことが判明しました。

英国国内でも人材流出への対策として、より専門的な知識を学ぶための講習やスキルアップの機会を設けているものの、なかなか人材流出には歯止めが掛からないのが現状です。

日本も他人事ではない?

国民の医療費負担が少ない公的な医療サービスが普及した結果、優秀な人材が英国本土から流出し、結果として国内の看護サービスの質が低下してしまうというのは、なかなか皮肉な話です。ただ、看護師が自分の仕事で能力を高めていった結果として、より高い報酬や技術を磨ける環境などのオファーを受けられるのは励みになりますし、それがなくなっても看護サービスの質は下がってしまうので難しいところです。

日本では言語の壁などもあり、英国に比べれば他国への人材流出は現時点では発生していませんが、将来的に英語を話す人材が増加したり、外国人医療スタッフの受け入れが増えた場合、日本でスキルを積んだ後により高い報酬で海外に引き抜かれてしまう、ということが増える可能性はあるかもしれません。

給料だけの問題ではなく、労働環境、キャリア形成、高いサービスへの適切な評価なども含め、この職場で働き続けたいと感じる職場を作っていくことが、今後どこの国にも求められるのではないでしょうか?

<参考サイト>

More than half of ‘unhappy’ nurses may quit NHS for jobs overseas says new poll(Mirror)

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